万年筆の不思議な書き味
パイロットの万年筆は以前からグランセを持っていますが、柔らかくスベる書き味に馴染めていません。筆で例えるなら、筆の腹で書いていて穂先が決まらないような感覚で、一画目の入りが跳ねたようになります。
色々調べてみると「パイロットの書き味は柔らかい」という評価が多く、こんなものなのかなと思っていました。
硬めが好きなわたしはパイロットの万年筆に苦手意識を持っていました。
しかしカスタムヘリテイジ92の透明ブラック軸を知ってから、欲しい、使いたいという欲求がムクムク湧いてきて、検索しては画像を見つめてため息の毎日。ついに手に入れてしまいました。
現物を見てやはり美しいと感じたこともありますが、決め手は、試筆でそんなにスベらず、むしろ適度な抵抗感がある。そのせいか柔らかくないと感じたことです。
例えて言うならゲルインクと油性ボールペンのような違いです。
ペン先は中細を選びました。
そしてどのインクを入れようか悩みながらあれこれしているうちに、なんと落としてしまいました。
購入当初は太さ一定だった筆跡が掠れるように。ブルーインクが購入当初、ブラックが落とした後です。特に縦線が書きにくくなりました。
しかしこの書き味が、とても気に入ってしまったのです。くるくる表情を変える線幅と、適度な抵抗感にすっかりハマってしまいました。
ペンを走らせたいがために抜き書きする毎日。
当初はすぐ調整に持って行かなきゃと考えていましたが、今はこの書き味を飽きるまで堪能しようと思います。